レクチャー 6:

InDesignってどんなソフト?どこで役に立つの?

講師: ムラモリ コウ
ムラモリ コウ

レクチャーの内容


このコースのナビゲーターのムラモリコウです。これから一緒にInDesignの勉強を始めましょう。

InDesignとはどんなソフトでしょう。このコースを受講し始めた人は「もう前置きはいいから早く本題に」と言うかもしれませんね。でもInDesignは使い方を誤るととても不便で、融通の利かないソフトです。高機能ですがそれは使い方を間違わなければという話で、万能のソフトではありません。

どういう時にどう使えば一番効果的なのか、まずはそのお話からです。

InDesignはDTP用の組版のソフトです。

組版と言うと分からないかもしれませんが、要するに印刷用の版下をデザインするソフトだと思えばいいでしょう。

では同じように文字を処理してプリントできるワープロなどとどう違うのでしょうか?

例えば新聞紙のページを作るときのことを考えてみてください。本文の文字の大きさや行数など細かい設定をして、膨大な文字量を処理して新聞を作るのは、Wordなどのワープロソフトではとてもできる作業ではありません。新聞紙と紙面と同じようにデザインされたページを画面上で確認しながら作業ができるのは、InDesignのような組版ソフトの独壇場です。

それでは Word などのワープロソフトは不要なのかと言うと、そうではありません。デザインを意識せずに文章を考えながら、素早く原稿を書いていくような作業にはInDesignのようなソフトは不向きです。処理が遅く、正確ですがテキパキとは動かないために思考がストップしてしまうことが多いからです。

そのため文字量の多い印刷物を扱う場合は、原稿になるテキストはWordなどのワープロを使い、絵や写真はIllustratorやPhotoshopで作成して、最後にそれらを統合してページのようにレイアウトする作業をInDesignで行います。

つまり小説や雑誌などの印刷の工程を考えれば、作家や記者はワープロを使い、編集や版下の作業でInDesignが使われるということになります。このように仕事の性格を理解して、InDesign を使うようにしましょう。高級で高機能だから何でもかんでもInDesignを使えばいいというものではありません。

DTPではIllustratorもよく使われるソフトです。IllustratorでもDTP用の版下を正確に作ることができます。

ではIllustratorとInDesignでは何が違うのでしょう。

Illustratorも最近は強力なテキストの処理機能を持っていますが、Illustratorは名前が示す通り、本来はドロータイプのグラフィックスを扱うソフトです。そのためチラシやポスター本の表紙などの製作には向いていますが、文字をたくさん扱い何ページにもわたる出版物を扱う作業には向いていません。

つまりページものならInDesign、ペラものならIllustratorと思ってください。

最近はどちらのソフトも高機能になりそれぞれの分野が曖昧になってきていますが、本来はIllustratorでやる作業をInDesignで行っていると思わぬ時間がかかったりします。自分の仕事に合わせてソフトを選ぶようにしましょう。

それでは前置きはこのぐらいにして、InDesignのコースに入りましょう。さあいよいよスタートです。